最近の読書から~スペインの歴史をカラーで追う『ヴィジュアル版 スペイン王家の歴史』

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支配者層がキリスト教徒だったりイスラム教徒だったり、いろんな「伯領」があったりで複雑なスペインの歴史
私なんか、日本の世界史の教科書で記憶にあるのは、カトリック両王カルロス1世フェリペ2世、くらいなもので、
その後はフランコ独裁あたりまですかっと抜けてます。

あんまりスペインの「通史」がまとまった本って見たことないな、と思ってたら、最近ヴィジュアル版 スペイン王家の歴史
なんて本が出てたので、早速見てみることにしました。

■目次

1章 西ゴート王国
2章 イスラーム・スペイン
3章 キリスト教諸国(アストゥリアス王国、レオン王国、カスティーリャ=レオン王国、カスティーリャ王国、ナバーラ王国、アラゴン王国、バルセロナ伯領、アラゴン連合王国、マジョルカ王国)
4章 カトリック両王
5章 ハプスブルク家―スペイン帝国の絶頂と衰退
6章 ブルボン家―王国の新しい概念
7章 その他の王家―スペイン王位に就いた2人の異国人君主

目次みても分かるように、一応、西ゴート王国時代から、イスラム・スペインも含めて現代までカバーされている。
それもオールカラーで、王の肖像はもちろん、主だった戦争の対峙図、領土などの地図もついてます。

まぁ、西ゴートの時代やイスラムの時代は、資料も少ないのでしょう、全ての王の肖像があるわけではないし、ページ数も多くはないですが、第4章あたりからは王様一人ひとりの肖像や人物紹介、さらに王妃の紹介まであるので、なかなか楽しめます。

王様のあだなって面白い

王様には「別名」、というかあだ名がよくついてますが、このあだ名が結構面白い。

フェリペ1世 「美公」

フェリペ2世は有名だけど、1世ってどんな人だったのかちょっと気になってたんですが、フェリペ2世の祖父にあたる人なんですね(ファナ狂女王の夫)。
カスティーリャ王になって数ヶ月で死んじゃったので、印象が薄いわけです。

で、あだ名が「美公」「端麗公」(西語:el Hermoso)。

美男子で頭もよい人だったそうだが、期待して肖像画(かなりデカく載っている)見たけど、「美」が個人的にはよく分からなかった。
が、この本を読んでいる私の向かい側に座っていた家族が、「美形だ」と言ったので、
本(肖像)を逆さにしてみると、確かに「美公」かもしれない状態になった!

というわけで、ちょっと失礼を承知しつつも、ナットクが行かない方は、本を逆さにして見てみてください。

フェリペ4世(1621~1665)

まず、王様の概要説明が面白い。

フェリペ4世は、フランスの「太陽王」ルイ14世との対比で「惑星王」と呼ばれる。
政務の大部分を寵臣たちに委ねていたため、君主としての人物像が定まらず、歴史学者の間でしばしば議論の対象となっている。

フェリペ4世と言えば、あのベラスケスが仕えていた王ですが、こんな呼び名があったとは・・・
それも「太陽王」ルイ14世との対比というのが微妙。フェリペ4世の娘マリア・テレサをルイ14世に嫁がせているので、「惑星王(西語:el Rey Planeta)」は「太陽王」の義父にあたるわけですし。

フェリペ4世はまた、あの「呪われた王(el Hechizado)」カルロス2世の父親でもあります。
カルロス2世は近親婚の結果で様々な障害や病気があったと言われてますが、王の説明を読んでると、大変ながらも頑張ってたんだなぁ・・・とちょっと感動。また、カルロス2世の王妃(2人)の肖像と逸話も載ってますが、それもちょっと感動。

さいごに

他にも「ロマンチック王」アルフォンソ12世とか、「悲運の女王」イサベル2世(la de los Tristes Destinos)とか、「愛された王」ルイス1世(el Bien Amado)とか、興味深い名前の王や女王がいろいろ。ルイス1世の王妃は「名前がなかった」(結婚時に名前が急遽付けられた)とか、なんとも言えない話もあって、ついついパラパラ読んでしまいます

カラー版の威力ですね。

ただ、ちょっとこの本、お値段が高め(\4500+税)。(私は中古でGetしましたが)
そのわりに、資料の説明がもうちょっと欲しいところや、ちょこちょこと誤植&主語がわからなくなる文章があるのが気になるところもあり、概要を知るのにはいいけど、詳しく知るにはまた別に本を読む必要があるでしょう。

でもやはり全体像を知るにはとても便利、というのには変わりないです。

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